映画・アニメ鑑賞


「ドラえもん のび太の宇宙開拓史」
 原作:藤子不二雄
 監督:西牧秀夫
 製作:1981年、日本
映画ドラえもん のび太の宇宙開拓史
 「のび太の恐竜」に続いて劇場二作目の「のび太の宇宙開拓史」を観ました。昔、ファミコンに入っていたドラえもんのゲームは「宇宙開拓史」から始まっていました。当時は夢中になってプレイしたものです(ああっ!もう一度ゲームをやってみたい!)。そういう懐かしさを引き摺って鑑賞しました。トカイトカイ星に住んでいた人たちがコーヤコーヤ星を開拓していたが、ガルタイト鉱石を独占しようと企む組織によって妨害を受けていた。宇宙を航路していた途中、ロップルとチャミーが乗船する宇宙船が敵に襲撃され、ワープの際に空間がねじれてのび太の部屋と連結してしまう。こうやって感想を書いている間も昔の記憶が甦ってきます。チャミーが地球の空気が汚れていて咳き払いを何度もするのですが、これは大気汚染問題を暗に警鐘しているように見えてなりませんでした。地球上では運動音痴のび太も、コーヤコーヤ星は地球よりも重力が弱いので大活躍。二丁拳銃とあやとりがこうも効果を発揮するとは意外なこともあるものです。ハッピーエンドというお決まりが分かりきっていても、ロップルたちとの最後のお別れは辛いものがあります。こういうお別れはときに残酷なものです。
「ドラえもん のび太の恐竜」
 原作:藤子不二雄
 監督:福富博
 製作:1980年、日本
映画ドラえもん のび太の恐竜
 生まれ初めて観た映画ではっきり記憶に残っているのはドラえもんの映画なのですが、それが何という作品だったのかまでは憶えていません。自分の忘れていた記憶を取り戻すため、まずはシリーズ1作目の「のび太の恐竜」を観ることにしました。この映画はのび太が拾い育てた恐竜のピースケをめぐる動物愛の物語ですが、恐竜の歴史も少しは分かるのがお得です。もちろん筋は簡単だし大人がみればなんとなく結末の予測は尽くのですが、子どもの前でそれを言うのは野暮というものです。25年も前だから画像はちょっと粗いですが、勧善懲悪型のお話が懐かしいです。「アンパンマン」のバイキンマンは悪者ですけど、根っからの悪人というわけではなく、ドラえもんに登場するような極悪人とは違います。バイキンマンはいい奴なのです。同じく勧善懲悪型の歌舞伎では敵役(かたきやく)といって、見るからに悪人と分かる奴が出てきますが、ドラえもんは歌舞伎の路線を踏襲していますね。事件が一段落するとのび太はひとつ成長し、そして視聴者ものび太と一緒に成長した気分にさせてくれます。これはドラえもん映画の不思議な魅力です。
「超時空要塞マクロス〜愛・おぼえていますか〜」
 監督:石黒昇、河森正治
 製作:1984年、日本
超時空要塞マクロス 〜愛・おぼえていますか〜
 NHK-BS2「アニメ夜話」の「超時空要塞マクロス」の回を観たら無性にマクロスが観たくなり、運よくテレビ放送してくれたので観ました。「板野サーカス」の知名度は言うに及ばず、としたのですが、現在でも鑑賞に耐えるクオリティでした。作画も力が入っていて、技術力よりも情熱的な若さを感じます。もとはテレビ放送したものをベースにして劇場用を制作したものなので、ストーリーの面で説明不足や分かりづらい部分があることは否めないし、一条輝と早瀬ミサとリン・ミンメイの三角関係は妙に浮いていて突飛な印象も拭えません。やはりテレビ視聴者向けの劇場版なのだと思います。でも人類史に迫る物語の深みは健在ですし、マイクローンとゼントラーディーとメルトランディーの始まりの歴史を導入した点は優れています。恋愛の描写に不満があっても他が秀でているので、いま観ても損した気分にはなりません。
「気狂いピエロ」
 原作:ライオネル・ホワイト
 監督:ジャン=リュック・ゴダール
 製作:1965年、フランス
気狂いピエロ
ヌーベル・ヴァーグはおそらく私にはよく分からないだろうなあと思いながら「気狂いピエロ」を観ました。案の定、私の見立てに誤りはなく、なんだかよく分からない映画でした。フェルディナンという男はマリアンヌから「ピエロ」と呼ばれ、都会生活を放棄して一緒に野外生活をする。しかしマリアンヌはすぐこれに飽きて、再び窃盗と野宿の生活を繰り返す。マリアンヌは謎の組織と抗争しているらしく、フェルディナンはこの巻き添えになる。だが、マリアンヌはその組織の棟梁と恋仲らしく、それに嫉妬し怒り狂ったフェルディナンはマリアンヌを刺し殺し、その後を追うかのように自分の頭にダイナマイトをぐるぐる巻きにして爆死する。筋を追ってもあまり意味があるとは思えず、映像にも目新しさがあるわけでもなく、おそらく送り手と受け手の感性の問題なのだろうと思います。退屈でつまらないわけではなく、突き放したような素っ気無さが感じられます。必然性がなく行き当たりばったりで、要するにC'est la vie.=iセラヴィ)「それが人生さ」ということです。
「機動警察パトレイバー2 the Movie」
 原作:ゆうきまさみ
 監督:押井守
 製作:1993年、日本
機動警察パトレイバー2 the Movie
「機動警察パトレイバー 劇場版」を観たので続編の「機動警察パトレイバー2 the Movie」も観ました。前回と違うのは特車二課第一小隊隊長の南雲という特定のキャラクターの過去をオーバーラップする作りになっていることです。元恋人だった柘植との交際が過去の傷だったりするのですが、冒頭の横浜ベイブリッジ爆破事件が衝撃だったわりには後半の切れ味がいまいちでした。事件がだけが大きく取り上げられて騒動を起こしているのに、事件も丸く収まってしまったのには違和感を覚えます。もちろん、作画の出来はいいしキャラクターの味も十二分に引き出されてはいるのですが前回の劇場版と較べるとスリリングな展開に欠けているように思いました。特車二課が一丸となって目標を撃破する点だけをみてもやはり前作の方に軍配が挙げたいと思います。南雲隊長の恋話も悪くはなかったのですが事件のスケールに較べるとミスマッチでした。
「機動警察パトレイバー 劇場版」
 原作:ゆうきまさみ
 監督:押井守
 製作:1989年、日本
機動警察パトレイバー 劇場版
最近アニメを観ていない気がしたので「機動警察パトレイバー 劇場版」を観ました。「パトレイバー」についてはゆうきまさみの原作を昔読んだことがありますが少年誌の読者を対象にするには中身が難しいのではないかと思ったものです。劇場版は原作の味を損なわずにうまくアニメに移行していると思います。劇場版のストーリーは、HOS(ホス)と呼ばれるOSをめぐる壮大な計画犯罪で、バビロン・プロジェクトとか方舟とか宗教色の強い用語が飛び交います。でもストーリーの進め方は大変面白く、仮説を検証しながら物語の核心に迫り、隙のない脚本構成に惹き込まれます。作画のレベルも当時としてはかなりのクオリティです。最後の方で起こる、泉野明とHOSのパトレイバー同士の対決は、原作のクライマックスであるグリフォンとの対決を想起させます。監督を務めたのは、のちに「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」を生み出した押井守なので、この劇場版の出来映えの良さがすでに窺えます。

もどる